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第22話 我が子いなくなり、失った希望は名前を変えて絶望に... 『お願い、返して』 涙するミキ。 『いやよ。もう、この子は私達の子なの』 一人の女性が言う。 『…っ……私の子供なの……たった一人の、子供なの』 涙する女性は何も言えなくなっていった。 『一人じゃないでしょう?……ミキ』 『お願い!!その子を返して!私の子なの!!!』 女性はニヤっと笑った。 『嫌よ』 『お願い……レノアには子供がいるでしょう?』 ミキは泣きながらレノアにすがる。 『いいの。あんな子はいらないの』 『レノア!レノアッ!!アスラン君は紛れもなくレノアの子供なのよ!?』 ミキは必死でレノアにすがる。 『好いてあげて。嫌わないで……っ…あの子は…何も悪い事してないのよ!?』 ミキは続けた。 『ずっと…っ…両親の期待にこたえようと思っているのよ!?聞いてるの!?レノア!!!』 『じゃあ、貴方にあげる。あんな子、いらないの。仕事以外では…不必要よ』 『……レノア…………』 レノア母不気味に笑った。 『ミキは何も知らないからお気楽よね』 『違うわ…お願い、聞いて、レノア!その子は―――』 ミキの言葉を遮り、レノアは怒鳴った。 『貴方は何も知らないから言えるのよ!だから、この子は…私が育ててあげる』 『レノア…どうして…お願い……やめ…て……アスラン君は…どうするつもりなの?』 ミキは涙をポタポタと流す。 『………さぁ、しらない』 『……………レノアッ!!!』 そっと、後ろから聞いていた言葉。 何もいえなくて、ただ立ちつくしていただけだった。 ………俺、は? 『キラを、とらないで』 …キラはズルい。 こんなに愛されている。 愛されている故、涙するものが居る。 『…………っ』 小さく声をあげて泣いた。 其処に居る事は否定されている。 だけれども、じゃあ、何処にいればいい? 此処以外いることは出来ない。 自分が我慢すれば此処にいられるんだ。 …………そう、思っていた。 『…レノアは…自分で産んだのよ?…アスラン君…を』 『煩いわね、ミキ!じゃあ、あんたが引き取りなさいよ!!!!』 母はその場所からいなくなっていた。 『……っ……っく』 ガタンッッ あまりの辛さに音をたててしまった。 『!?……アスラン…君……い、いつから其処に居たの…!?』 ミキは驚いて俺を見た。 『………………最初から』 『!…そう。最初から…聞いていたの……』 コクンッッ 言葉に出来なくて頷く以外に何も出来なかった。 『…あの、アスラン…君……?』 『……え?』 ミキは申し訳なさそうな表情で俺を見た。 彼女は何も悪くない。 それは、頭の中でわかっている。 『……御免なさい……ね』 『謝らなくていいです。貴方が悪いわけではないんですから』 サラっと答えるとミキは余計つらそうな顔をした。 『…貴方の事を、嫌いなわけではないのよ……レノアは』 そんな言葉、信じない。 『………嫌いなわけではなかったのよ……最初は』 ………最初……は……? 『レノアがああなったのは……きっと、私達のせいなのよ』 ミキは涙をポロポロこぼす。 『キラが一世代目のコーディネイターで……あんなモノがあるから……』 『………どうでもいいです。気にしてませんから』 すっと…俺はその場から離れた。 居づらかった。 ミキのつらそうな表情が見たくなかった…。 『っはぁ…はぁはぁはぁ……っは…はぁ……』 走ってたどりついた場所は研究所。 『………アスラン・ザラ、来ました…』 小さく呟いた。 『…なんだ。アスラン。研究の邪魔をする気なら帰れ』 『邪魔はしません。父さんの、役に…立ちたいから』 苦手だった父親。 『おお、そうか。ではお前の世代の力を私の研究に費やしてくれ』 俺は必要ない。 生きている必要もない。 『………父さんは、どのような研究をしているのですか?』 『……人体制作だ』 『…………え?』 『冗談だ。他にも様々なことがある。頑張って覚えてくれ』 ……………嘘ではなく、本当の事。 キラが生まれたのはその場所からだから。 『……はい』 辛くなっても、関係ないのかもしれない。 人の辛さなんて俺の両親は関係ない。 『………頑張ります』 人が強くなる理由・弱くなる理由は、なんだろう・・・? 「・・・・・昔の事、思い出すと…とまらない………っ」 嫌いな思いでばかりが蘇る。 「・・・・・・守れなくて、御免。・・・キラの両親・・・母親を殺したのは俺といっても・・・・良いんだ」 否定は出来ない。 あの時見捨てたのは、俺だから。 『 気 に や ま な い で く れ 』 優しく声をかけたのは、ラミーさんだった。 『 ラ イ ア と あ っ た ら 、 宜 し く 』 ライアという少女にはいまだあった事はない。 写真ぐらいでは見かけたことはあるが…。 「・・・オーヴか・・・何時になったらつくんだか」 何も知らなければ良かった。 研究なんてしなければ良かった。 「・・・・・・後、もう少し・・・」 もう少しで目的の場所へつく。 「・・・・・・はぁ」 後書き――――――――――。。。。 第21話と同じ日です。。 人体制作ってなんだよ、ヲイ(笑 ふふふ・・・・過去話で終わっちゃったよ。 こんなお話考えてなかったのに・・・ ミキさんを書きたかっただけなんだよ――――!!!! |